おぎの あんな
1956年、横浜山手で画家である母親
とフランス系アメリカ人の父親との間に
一人娘として生まれる。慶應義塾大学大
学院、ソルボンヌ大学で学び、ラブレー
の研究で博士号を取得、88年に「片翼の
ペガサス−安吾をめぐる戯作的私評論の
試み」を「文学界」に発表し注目をあび
る。その後小説を欠き始め「背負い水」
で芥川賞を受賞。現在慶應義塾大学文学
部で教鞭をとりながら執筆活動、テレビ、
ラジオ、講演など幅広く活動している。

作家
   荻野 アンナ

新製品の開発にメラメラ燃えている?!

 慶應大学のキャンパス(東京都港区)の東門の隣には、私が慶應大生だった頃から「文銭堂」という和菓子店があります。私が大学生だったのは随分前のことですから、老舗ですよね(笑)。この店は、私が大学で教授として教え始めてから、急に新製品の開発に力を入れ出したんです。つい人に紹介してしまうので、私はこのお店の広報部長を自称しています。
 なかでも1番のオススメは、「学問のすゝめ」という名の最中。私は仕事柄、作家や文化人のお客様とお会いすることが多いのですが、そんなときにいわゆる「慶應土産」としてお持ちすると、大変喜ばれるので重宝しています。ちゃんと本の形をした箱に入っているので、インパクトがあってウケるんですよね。
 この「学問のすゝめ」は、皮とアンコが別々になっていて、自分で好きなように挟んで食べる手付け最中なんです。そうした最近のスタイルと、「学問のすゝめ」を組み合わせたところが絶妙だと思います、学問というのは、やっぱり楽しさやオリジナリティが必要なものだと思いますから。このお店のご主人もユニークな方で、私が「学問ちょうだい」と言うと、「はい、1単位でいいですね?」なんて答えてくれる(笑)。私とは波長が合うんですね。
 どこにでもあるような商品ではなく、商品開発にもちょっと遊びがあるお店というのは、魅力を感じます。それがお店のオリジナリティというものではないでしょうか。